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飲食業は「チームスポーツ」である

  • 執筆者の写真: rise
    rise
  • 20 時間前
  • 読了時間: 5分

飲食業は、つくづくチームスポーツだと思います。

僕は長く格闘技をやってきました。その経験から見ても、うまくいっている飲食店のオーナーさんたちは、もし格闘技をやってもきっと強いだろうな、と感じることがあります。


格闘技で大事なのは、技術や体力だけではありません。苦しい場面でも折れないこと。しんどい時にも、絶対に挫けないという意志を持ち続けること。

繁盛しているお店のオーナーさんたちからは、そうした気概を強く感じます。日々の営業、スタッフの育成、数字への責任、お客様への向き合い方。どれを取っても、簡単に投げ出せるものではありません。だからこそ、飲食店を続けている人たちには、格闘技にも通じる強さがあるのだと思います。

昔の飲食業は、今よりも個人プレーで成り立つ部分が大きかったように思います。


家族経営のお店が多かったことも、その一つです。親方や大将の腕、女将さんの人柄、家族の結束。そうした強い個人や身内の力によって、お店が回っていた時代がありました。もちろん、それはそれで素晴らしい飲食業の形だったと思います。


しかし今は、時代が大きく変わりました。

家賃は上がり、原材料費も上がり、人件費も上がっています。さらに、お客様が求める水準も年々高くなっています。味が良いだけではなく、接客、清潔感、提供スピード、空間づくり、情報発信、コストパフォーマンスまで、あらゆる面で高いレベルを求められる時代です。

そして何より、飲食業全体のレベルが上がりました。周りのお店も努力し、工夫し、進化しています。その中で、誰か一人の力だけで勝ち進むことは、どんどん難しくなっていると感じます。

だからこそ、今の飲食店は個人競技ではなく、チームスポーツなのだと思います。

お店には、共通のゴールがあります。お客様に喜んでいただくこと。また来たいと思っていただくこと。そして、チームとして成果を出し続けること。


そのゴールに向かって、キッチン、ホール、店長、アルバイト、社員、それぞれが連携して動いています。誰か一人が突出していれば勝てるわけではありません。個人の能力はもちろん大切ですが、それ以上に、チームとしてどう噛み合っているかが結果に大きく影響します。

声のかけ方ひとつでも、チームの動きは変わります。相手が理解しやすい言葉で伝えること。営業中、つまり「試合中」には、相手に余計な迷いを与えず、シンプルで適切な指示を出すこと。そして何より、相手を萎縮させるような言動は必要ありません。


試合中に必要なのは、責めることではなく、勝つためのコミュニケーションです。今、何をすべきか。誰がどこをフォローするのか。どこに優先順位を置くのか。

その判断と共有が、チームのパフォーマンスを左右します。

一方で、試合中以外、つまり営業時間外には、また別の大切な時間があります。個々の能力を高めること。作戦を共有すること。お互いの考え方や得意不得意を理解すること。営業中にはできない会話や準備が、実は営業中の結果を大きく変えます。


スポーツでも、試合だけで強くなるチームはありません。練習があり、ミーティングがあり、振り返りがあり、チームづくりがあります。飲食店も同じです。営業時間外の協力関係や準備こそが、営業中の連携を生み、結果につながっていくのだと思います。


そう考えると、監督やコーチのような、チームをマネジメントする存在も非常に重要です。

飲食業では、プレーヤーとマネージャーを兼任することがほとんどです。現場に立ちながら、同時にチームを見なければいけない。自分も動きながら、人を育て、空気をつくり、方向性を示さなければいけない。


これは簡単なことではありません。


だからこそ、マネジメントする立場にいる人は、自分がチームを正しい方向に導けているかを常に考える必要があります。個人のパフォーマンスを上げられているか。メンバーが力を発揮しやすい環境をつくれているか。営業中の指示は適切か。営業外の関わり方は十分か。

そしてこれは、店長や社員だけの話ではありません。


一人ひとりが、チームスポーツの一員としてどう振る舞うのか。どういう姿勢で現場に立つのか。そこを改めて振り返ってほしいと思います。


自分は、仲間に対して適切なコーチングができているか。相手が前向きに動ける声のかけ方ができているか。仲間に悪影響を与える言動をしていないか。チームのモチベーションを下げるのではなく、上げる存在になれているか。そして何より、自分自身が本当にチームに参加できているか。


ただシフトに入っているだけでは、チームに参加しているとは言えません。自分のポジションだけをこなしているだけでも、十分とは言えません。チームの勝利のために、周りを見て、声をかけ、助け合い、自分の役割を果たそうとする姿勢があって、初めてチームの一員になれるのだと思います。

飲食業は、根性だけでも、個人技だけでも勝てません。昔は、強い個人の力で勝てた時代があったかもしれません。しかし今は、強い個人が集まり、同じゴールに向かって連携することで、初めて勝てる時代です。


格闘技のような折れない心。チームスポーツのような連携。監督やコーチのようなマネジメント。そして、チームの一員として参加する一人ひとりの姿勢。


このすべてが揃った時、お店はもっと強くなるのだと思います。


僕たちも日々の営業を、ただの作業としてではなく、ひとつの試合として捉えていきたい。そして、試合に勝つために、営業中も営業外も、チームとして成長し続けていきたいと思います。

 
 
 

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